U 邸別荘
栃木県那須郡
若いご夫婦から依頼された那須高原の別荘です。
温泉が出るため露天風呂が御希望でした。
床面積は18坪と小さいですが、キッチン、板の間、畳の寝室を東から西までひと繋がりの空間にして実際よりも広く感じられる様に設計しています。
森に囲まれた爽やかで気持ちの良い場所です。
床に座ったり椅子に座ったり料理をしていたり、それぞれの姿勢でアイレベルが揃うように、床のレベルを変えています。空間の広がりに抑揚を与えながら、そのレベル差自体が腰掛ける場所としても自然に使われています。
天井は、藍染めの布を梁のピッチで留めたものです。天井は屋根の勾配に沿って、建物の中央に行く程高くなっています。最も高くなっているところにロフトがあり、来客時には休む場所として使われています。 ロフト下は、読書スペースです。天井は2mと低いのですが、ソファに座って読書をするのにはとても落ち着くスペースになっています。板の間の大きな照明はご主人の手作りです。
周辺の木々に合わせて、寝室の障子の組子には不規則な変化を持たせています。
南側には小さな書斎机があり、静かに手紙を書くための場所になっています。
天井の小さな照明は奥様の手作りです。
森の木漏れ日の中の露天風呂は、鳥たちがよく来る場所です。
浴槽の内法は、1.5m × 1.5m の広さがあり、ひとりでのんびりと夜明けを待つのも気持ちがよく、また時には友人たちとお酒を酌み交わす場所になることもあります。
外壁の板張りは丸太を挽いたものをそのまま使っている為、1枚1枚の板に耳が付いています。
周囲の木立に溶け込むように考えた張り方です。
U 邸別荘 所在地:栃木県那須郡
構造・工法:木造在来工法 敷地面積:330m² 建築面積:70m² 延床面積:61m² 竣工:平成10年