懐石料理 うさぎ屋
東京都国立市
門からのアプローチ．奥に見えるのは檜皮葺き屋根の掛かった腰掛待合．
エントランスホール．２層分吹き抜けになっている．
国立で懐石料理を提供されている、「一汁三菜うさぎ屋」さんの増築計画です。設計依頼は、４種類の個室とホールの新築、厨房の増築と庭、外構の計画でした。
部屋に辿り着く迄のアプローチも大切にしています。
個室はそれぞれ席数もテーマも異なるものとなりました。
現場の大工さん達のお昼やお茶の時間には、板前さん達が心づくしの一品や和菓子で労って下さいました。
料理と建築の違いはあっても、良い仕事をする人達に共通する空気感が常に漂う気持ちの良い現場でした。
個室 雪
座卓は掘り炬燵式になっており、向かい合わせで８人座ることができます。どちら側に座っても、美しい庭を眺めながら食事ができるように、座った時の程良い高さで窓を設えました。床の間には円相窓、床脇には吊り棚を設け、袖壁は竹で留めています。床は板張り、天井は竿縁天井です。木部は、柿渋に松煙を混ぜて塗装し、古色仕上げとしています。
個室 花
庭を眺められるように地窓を設え、床の間には香節の皮付丸太で縁取った窓を設け、窓先の立派な松の木を愛でる視線を作っています。格天井の中心部分は折上げて、障子を入れて調光のできる間接照明になっています。
２階階段より廊下を見る．奥に特別室が見える．
２階 特別室
２階の特別室は、屋根の勾配に合わせて天井を低く抑え、洞穴のような空間をつくりました。壁と天井は漆喰仕上げです。
床の間がある壁は高さ1.2mから天井が始まっていますが、壁と天井は漆喰で滑らかに繋がっていて、座った時には包まれたように落ち着く席になっています。
アプローチ 夕暮れ時．柔らかな明かりが灯り、打ち水されたアプローチが清々しく迎えてくれる．
前面道路から門扉を見る．垣根は竹穂垣、門は梅見門．
懐石料理 うさぎ屋 所在地：東京都国立市
構造・工法：木造在来工法 敷地面積：645m² 建築面積：266m²（内157既存） 延床面積：275m²（内131既存）
竣工：平成17年