H邸
静岡県竜洋町
静岡県の天竜川の近くに建つセカンドハウスです。
川からの風が気持ちよく届けられる此の敷地は、むかし船問屋さんを営んで居られた場所で、よく手入れの施された広い庭の一角には古い蔵も残っていました。
設計御依頼の時には「孫達が来た時の為に面白いお風呂を」というのが主なお話で、5種類の計画案を提出させて戴いた末に、浴室を中心に置いたシンプルな平屋の案に決まりました。
風と緑の恩恵がどの部屋に居ても感じられるように計画しています。
アプローチの石は、既存の庭に馴染むように、昔から敷地内にあったものを使いました。
緑の奥にある丸い白色の部分が浴室です。
浴室はトラスフォール工法でできています。柔らかな繭に包まれたようなとても落ち着いた空間になりました。
6畳ぐらいの広いお風呂で、家族みんなで楽しむことが出来ます。
湯船に浸かると、四角い窓から、外の豊かな庭を眺めることができ、丸い窓からは明るい光が差し込んで刻々と移動してゆきます。
天竜川がある西側から吹く気持ち良い風を建物に取り込みたいというお施主様の御要望で計画が進みました。生い茂る庭の緑に開いた形で配置が決まりました。
LDK、和室、キッチン、浴室、寝室の全ての部屋で風と緑を楽しむ事ができます。和室は、お孫さんやお客様が宿泊される時には、客間として使われます。
インテリアの木部は、基本的に松煙を混ぜた柿渋塗りで落ち着いた色に仕上がっています。リビングのオレンジ色の柱はカシュー塗りです。
奥に見える和室には、中央にオリジナルの仏壇を設計しました。写真は扉がしまっている状態のものです。
和室の襖を左右に開放すると、2間分開くことができ、リビングと一体の空間となります。
H 邸 所在地:静岡県竜洋町
構造・工法:木造在来工法 敷地面積:1020m² 建築面積:165m² 延床面積:123m² 竣工:平成9年
トラスウォール工法
浴室の施行中の様子です。
予め、工場で組み立てられたトラス鉄筋の部品を現場で結合し、型枠用メッシュを巻いて、コンクリートを打ち込みます。トラスウォール工法は曲面や複雑な形状の不定形面をつくるときに向いている工法です。
この工法のお蔭で、浴室の曲面は実現しました。