A邸

A邸1-南東より見る

南東より見る.

A邸2-東側外観

東側外観

敷地は風致地区であり、外観は伝統的な数寄屋造りを基本とし、現代の技術を用い快適な室内環境をつくった住宅です。外壁は黄聚楽塗り、屋根は淡路瓦と銅板の腰葺きになっています。
御施主様は、特に色調を大切にしておられて、御要望にお答え出来るよう、様々な材料やデザインをご提案させて頂きました。国内だけでなく、海外の珍しい材料も使っています。職人さんたちが腕をふるって協働して仕上げて下さいました。

A邸3-1階の土庇軒下

1階の土庇軒下.軒桁は長さ12mの北山杉の磨丸太.

A邸4-庭からの外観

庭からの外観.写真左下は月見台.軒下の土間は霰零し(あられこぼし).

A邸5-屋根の棟部分

屋根の棟部分.木彫りの鳳凰が見守る.(着工後間も無く御施主様のご依頼で製作したもの)

A邸6-玄関内観

玄関内観

式台は栗京風名栗.上框は欅.
天井は染煤竹と赤杉柾目石畳網代.
靴入れと飾り棚は栃縮杢.
靴入れ上には鳳凰の絵柄のステンドグラス.

A邸7-1-玄関から畳廊下を見る

玄関から畳廊下を見る.

畳廊下の天井は土庇から延長した掛込天井になっています。外部に面した建具には一面、ステンドグラスが入っています。ステンドグラスを透過した色光が室内に写りこみ、万華鏡のように刻一刻と変化していきます。
このステンドグラスは、設計着手当初より、御施主様の一番大事なご要望で、「あでやかに妖艶に」とのお話で何度も打ち合わせを繰り返して決まって行ったものです。

A邸7-2-畳廊下から玄関を見る

畳廊下から玄関を見る.

A邸8-ダイニング側からLDKを見る

ダイニング側からLDKを見る.八角柱は欅.暖炉の上には「鯉の滝登り」のステンドグラスが嵌っている.

A邸9-和室側からLDKを見る

和室側からLDKを見る.

リビング・ダイニングは、床は特注製作の絨毯仕上げ、天井は杉根杢板の入った格天井で、折上げ部分は花菱紋様の石膏天井となっています。暖炉はブラジル産のアズールマコバスという青い大理石です。地袋の襖は唐長の唐紙で、和室の襖には人間国宝の北村武資先生の絹織物が使われています。壁は、無垢材から削り出した装飾板で仕上げています。
シルクの紫と金のラグの上には、イタリアから輸入したメデア社のアールヌーヴォーのソファと椅子、ブビンガ玉杢で製作したローテーブルとダイニングテーブルが載る。シャンデリアはムラーノガラス製。

A邸10-詳細図1
A邸11-ダイニングの飾り棚

ダイニングの飾り棚.下部にはワインセラーが内蔵されている.

A邸12-詳細図2
A邸13-飾り棚細部

飾り棚細部.全てオリジナルで設計したもの.

A邸14-リビングから畳廊下を見る

リビングから畳廊下を見る.ステンドグラスには左から春、夏、秋、冬の四季が描かれている.

A邸15-ダイニングから畳廊下を見る

ダイニングから畳廊下を見る.ステンドグラス越しに庭が見える.
描かれた自然と庭の自然との虚実二つの景色が重なって見えている.

A邸16-雪見障子越しにステンドグラスを見る

雪見障子越しにステンドグラスを見る.

A邸17-人間国宝の北村武資先生の織物を使用した襖

人間国宝の北村武資先生の織物を使用した襖.引手は七宝.腰板は溜塗り.

A邸18-和室北面

和室北面

柱は杉の面皮、壁は赤い京錆仕上です。
床柱は目通り6寸の赤松、中柱は椿を合わせています。床框は黒檀、落とし掛けは屋久杉です。
天井は竿縁天井で、霧島杉笹杢の羽重ね張りを染竹入の赤杉で押えています。
写真左に写っているのは、宮崎家具さんの桐箪笥で、服部峻昇先生に絵付けをして戴きました。

A邸19-和室東面の雪見障子

和室東面の雪見障子.書院甲板は欅の拭き漆仕上げ.

A邸20-和室西面

和室西面 桐の欄間には蝶が舞っている.襖は唐長の大牡丹柄を使用.

A邸21-ダイニングから喫茶室を見る

ダイニングから喫茶室を見る.ダイニング飾り棚の天板は真桜.

A邸22-喫茶室から庭を見る

喫茶室から庭を見る.

A邸23-喫茶室

喫茶室.カウンターの天板は欅、天井は杉厚貼り矢羽根網代.
奥には月見台が見える.

A邸24-月見台から庭を見る

月見台から庭を見る.

御施主様からのゆっくり腰掛けて庭を眺めたいとのご希望で、栗の腰掛けを設えました。床面は栗と晒竹で、埋め込まれた円形の石板は鉢植えを置く為のものです。

A邸25-詳細図3
A邸26-約4.5畳の書斎

約4.5畳の書斎です。
障子を開けると庭を眺めることができます。
リビングやダイニングとは対照的に野趣あふれる落ち着いた雰囲気になっています。壁は黄聚楽を塗り、天井は染煤竹で仕上げてあります。柱は香節皮付き丸太を使用し、天板は耳付の欅です。
机は掘り炬燵式になっていて、落ち着いて読書をしたり、書きものをしたりできる空間になっています。

A邸27-2階へ上る螺旋階段

2階へ上る螺旋階段.絨毯を真鍮金物で留めている.

A邸28-階段中央の大きなステンドグラス.

階段中央の大きなステンドグラス.

A邸29-2階から階段を見下ろす

2階から階段を見下ろす 写真右はエッチングガラスの目隠し

階段の手摺は真鍮製の手摺子に木製の笠木を載せています。
原寸で図面を作成し、職人さんと何度も打合せを重ねて製作して戴きました。曲面壁に有機曲線の真鍮手摺金物が狂い無く取り付いた時には、感動の声が上がりました。職人さん達の緻密で丁寧な仕事のお蔭です。

階段の手摺子詳細

階段の手摺子詳細.真鍮は硫化いぶしによる古美仕上げ.

A邸31-詳細図4-階段の支柱詳細図
A邸32-階段から2階リビングを見る

階段から2階リビングを見る.壁、天井はアンティコスタッコ仕上げ.

A邸33-寝室東面

寝室東面.東の山から朝日が上る爽やかな寝室.

窓の下枠は1階の屋根に沿って山型になっており、下にあるもう一つの小さな起伏と連なって、遠くの山々に呼応している.

A邸34-寝室

寝室.天井は曲面になっていて、松梁が飛んでいる.

A邸35-外観 夜景

外観 夜景

A邸36-闇に浮かび上がるステンドグラス

闇に浮かび上がるステンドグラス

A邸37-外観

A邸
構造:木造 敷地面積:527m² 建築面積:209m² 延床面積:266 竣工:平成30年

様々なガラスの表情

A邸38-様々なガラスの表情

A邸では、様々なガラスを使っています。
特殊なガラスは、東京の(株)エー・ジー・クルーさんに製作して戴きました。ステンドグラスは主にドイツのランバーツ社の被せガラスを、大きな1枚のガラスから必要な部分のみ切り取って使っています。
ヒュージングでつくられたガラスを建具に埋め込んだり、エッチングガラスを目隠しに用いたりしています。
職人の手仕事によってつくられたガラスです。

石膏天井の製作

A邸39-石膏天井の製作

リビングの天井で用いた石膏天井は東京の(株)植野石膏模型製作所さんに制作して戴いたものです。写真は制作風景です。サンプルをつくりながら、細かい部分を調整し、型を作って頂きました。石膏天井の面積が大きい為、運搬可能なサイズに分割する必要があり、継ぎ目が分からないようなデザインとしました。間接照明で照らすので、光の回り方も確認しながら微妙な調整を繰り返しました。

真鍮金物の製作

A邸40-真鍮金物の製作

真鍮の金物は、京都のファクトリー・ルーツさんに製作して戴きました。手摺、照明、タオルバー、ハンドル等、小さい物から大きいものまで真鍮製のものは全て、原寸の図面で職人さんとじっくり打合せをすることができました。
面とりの具合や、接合部の留め方、仕上がりの色の調整等、ひとつひとつ時間を掛けて打合せを行い、試作を重ねながら、丁寧につくって戴きました。

鳳凰の屋根飾り

A邸41-鳳凰の屋根飾り

御施主様のご希望で、木彫りの鳳凰が2体、屋根に載っています。 とても丁寧に彫られた彫刻で、羽の一枚一枚まで細かく作り込んであります。
建物の高い所にあるので、普段は近くで見ることはできませんが、細やかな仕事が鳳凰の凛とした空気を醸し出しています。

銅板葺き

A邸42-銅板葺き

屋根は銅板の一文字葺きです。
樋や鮟鱇も含めて、全てひとつひとつ手作りです。
トンボや蝶の小さな飾りもつくって戴きました。
銅は、葺いてすぐの状態はキラキラ輝いていますが、時間が経つほど段々と味わいを増す材料です。

株式会社 北園空間設計
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