K 邸
神奈川県
緑豊かな丘の上に建つセカンドハウスです。
長年、都内にお住まいになっておられた御施主様から、自然の中でゆったりとした時間を過ごしながら、温泉を満喫し、野菜や草花を育てたいというお話を戴き設計が始まりました。
敷地は、高低差があり、2段になっています。上の段が母屋で、下の段には広々とした畑と農機具や収穫物の一時保管用の小屋があります。
どこの部屋からも美しい草木や山々を見ることができる明るい家です。
1階に LDKと和室、書斎があり、2階に茶室と寝室、浴室という構成になっています。
来客の多いお宅なので、和室と茶室は客間としても使えるようになっています。
建物の中央に中庭を設けたことにより、降り注ぐ日光が1階の玄関、書斎、リビングを明るくしてくれると同時に、各室から中庭に植えてあるアオダモの異なる表情を楽しむことができます。
ダイニング、キッチンから直接テラスに出ることができます。
テラスは、3.5m×6.7mの広さがあるので、テーブルや椅子を並べて、朝日を浴びながら、食事を楽しむこともできます。
先端には、温泉が出る足湯があります。足湯には、無垢板のカウンターと座面を設えました。
リビング、ダイニング、キッチンを合わせると約43畳あります。
お客様をたくさんお呼びしてパーティーに使う時もあります。
欅の一枚板でダイニングテーブルをつくりました。欅の木はもともと川越氷川神社の御神木だったもので、川越銘木さん秘蔵の品でした。テーブルの脚は、ステンレスの丸棒を3本を溶接して1脚として製作したものです
リビングとダイニングの真ん中には、お料理好きの御施主様のご希望で、料理もできる薪ストーブがあります。
ピザや煮込み料理など、様々に活用されます。
LDKの延長で、壁は漆喰仕上げになっています。
床柱は赤松、落とし掛けは欅、書院甲板は桜です。華やかなものがお好きなお施主様に合わせて、地袋の襖紙は鮮やかなブルーと金色の江戸唐紙をご提案しました。
書斎には、長さ4.5mの杉の1枚板の机があります。
机の正面は中庭に面しており、窓から明るい光が差し込みます。
机の背面には、本などをたくさん収納できるように、壁一面の造作棚を設計しました。
中央に炉が切ってあります。茶室としても、客間としても使うことができるように設計しました。天井は野根板天井で、黒部ヘギ板を晒竹で押えています。
2階の浴室です。
浴槽と吐水口は檜で製作して戴き、とても良い香りが漂います。
2方向に大きな窓を設けてあり、周囲の緑を一望しながら、温泉を楽しむことができます。
窓には外付電動ブラインドを設置していますので、視線や日差しを遮ることも可能です。
外構の照明は、人が通ると点灯する人感センサー式、暗くなると自動的に点灯するタイマー式、スイッチ式のものを使い分けました。御施主様とお打合せをして、使い勝手の良いように生活のシーンに合わせて配置しました。
K邸 所在地:神奈川県
構造・工法:木造 敷地面積:1243m² 建築面積:215m² 延床面積:258m² 竣工:令和元年
襖紙の選定
和室、茶室廻りに、華やかな江戸唐紙を中心に様々な襖紙をご提案しました。
御施主様とショールームで現物を見ながら、引手や把手も含めて、1ヶ所ずつ選定しました。
じっくりとお話できたことで、1枚1枚良いものを選定できたのはもちろんのこと、全体的な組み合わせも、自然豊かな土地に合うものになったと思います。
木材の選定
和室や茶室の化粧材、机や棚の天板に使う材料を
銘木屋さんや工務店さんの秘蔵の材料の中から、御施主様にご提案し、現物をご覧になって戴き、選定して戴きました。
長年かけて育った木材は、それぞれが多様な表情を見せて、建物をより一層味わい深いものにしてくれました。
庭木の選定
庭の樹木は、御施主様と一緒に植木屋さんに伺い、選定して戴きました。
中庭の植栽は、植木屋さんに行く前に、玄関やリビング等の各室からどのように中庭が見えるのかをパースによりご確認戴いた上で、現物を選んで戴きました。